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日本の大学を卒業後、アメリカへ大学院留学。アスレティックトレーナーとして、現在はテキサス州ヒューストンにて高校ATCとして勤務中。資格を取ってもまだ日々勉強です。4年ぶりの都会暮らしを楽しんでます☆


by kanaeinoue
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一緒に

今日の練習の途中、一人の選手がMRI検査から帰ってきた。
一昨日から腰が痛いと言い出してアイシングや安静をしていたり、
評価もしていたけれどいまいち症状がつかめなかった。
神経症状が強いわけでもないし、ときどきピキッというと言っていただけで、
本人はぎっくり腰になったと主張していた。
翌日、ベッドから起き上がれないといってきたので、再度チェック。
SLRをしたら30度くらいのところで悲鳴を上げた。
神経症状もかなり見られ、しびれる感じがするとのこと。
これはまずいかもしれないと思い、即座に病院に行ってもらった。
先生から帰ってきたレポート:「椎間板ヘルニア疑い」。
まさかとは思ったけど、本当だった。
今日の病院から帰ってきた後の表情は忘れられない。
1年生だけどいいところから来ていて能力もあって、ただケガがすごく多い。
入学してきて何度かリハビリもしたしいつもトリートメントをしていた選手だ。
最近すごく落ち着いてきていて、シュートも良く入る選手だから
リーグ戦の活躍を本当に期待していた。
チームの中でもかわいがっている一人だった。
それが初盤でのアウト―本人には言えないがかなりショックだった。
治療方法を相談しているときに、手術は絶対いや、
整形外科にもあまり行きたくない、鍼と整体で治すとずっと言っていた。
中学や高校のときから東洋医学を信じているから、そっちで治療をしたいと。
私は正直まったく分からない。
その分野に興味がないわけではなくて、単に知らないことだらけだから。
でも選手の要望には答えたい、けれど、たぶん何もできないなと思ってしまった。
一番早く治る方法が東洋医学の手技にあるのなら、それをやってもらいたい。
しかし、果たしてそれで必ずしも満足行く結果が得られるのか?ということに関して、
私は何も助言することすらできないのがものすごく辛い。
何をしたらいいのだろう。なんと答えるべきなんだろう??
できれば、私がきちんとついて一緒にリハビリをしたい。
でもそれが最善の方法という自信はないし、それが早期復帰できるだけの内容かも分からない。
他の分野には独自のやり方があるわけだし、そのほうが合うということもあるから。
唯自分の勝手で選手の意思を尊重しないのは間違っているし、
一番信頼できることをしたほうがいいのだろう。それが私の中の葛藤なんだ。
治すってコトがこんなにも試みたいと思うのは、初めてだった。
自分がやるべきことがわかっていても、こんなに悔しいのは異例かもしれない。
でも、これだけは確実。私がこのチームにいる間に、彼のプレーしている姿を見たい。
そのために何ができるか・・・・考えよう。
by kanaeinoue | 2004-09-10 18:48